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WTA シーズンは長過ぎる!?

テニスというスポーツは、「いったいいつがオフシーズン!?」とかなり前に他のブログで記述したことがありますが、やっぱりそうした問題は常に浮上しているようですね。WTA の最終戦ともいえる「WTA Championships Doha 2010」がいよいよ決勝戦ですが、その決勝戦が終了しても、直ぐに「全豪オープン 2011」がやってくる・・・

ファンの一人としては、全てのトップ選手が万全の体調で試合に出場し、激しく戦う姿を観戦したいと思っているはずですが、確かに怪我や病気でトーナメントを欠場する選手が多いことも実感しています。

そんなことを記事にして公開しているウェブページがありました・・・

“You just can’t win.” Is there a truer phrase anywhere? The WTA might be asking itself that as we speak. Everyone told them their season was too long, and that it was causing injuries to players.So the tour goes through a semi-Herculean three-year effort known as the Roadmap to shorten the season, and what happens? At the end of it everyone is still injured. In fact, more top players are injured or ill than ever.

(Omission)

The WTA schedule now ends six weeks after the U.S. Open. The ATP’s continues for another month. Is it a coincidence that so many women decided to “pull the plug” early in the fall and hang up their rackets until 2011? Some players were clearly incapacitated — Agnieszka Radwanska and Venus Williams both needed surgery — but others made the move for precautionary reasons.

(Resource: 「ESPN::Tennis: WTA Tour still searching for a solution」より)

WTA は、試行錯誤しているようですが、結局はトーナメント方式とという大会形式をとっている以上、強い選手は、より多くの試合数をこなさなければならず、どうしても負担が増えてしまう・・・下位選手は、トーナメントですから試合数が少ない・・・こうしたシステムを変更しない限り、どうしてもシーズンを短縮することはできないでしょうね!

現状のランキングシステム、試合形式を変更しなければ、上記のような問題を解決することはできないだろう・・・と信じている私です。

小和瀬望帆(こわせみほ)選手、決勝進出!世界スパージュニアテニス選手権

「世界スーパージュニアテニス選手権大会 2010」も残すところ決勝のみになりましたね!注目は、なんと言っても小和瀬望帆(こわせみほ)選手。千葉県の高校1年生です。お姉様は、小和瀬麻帆(こわせまほ)選手で、やはりテニスをしていて、昨年度のインターハイ優勝者です。姉妹で素晴らしいテニスをしますが、名前を良く間違えてしまうので、注意が必要です。

さて、注目の小和瀬選手ですが、「ITF Junior」のウェブサイトで、準々決勝に関する総評が掲載されていましたので引用しておきましょう。そのウェブページは、「ITF Tennis – Juniors – News Article::Top seed Puig stunned in Osaka」(追記:2012年3月24日:リンクがありません)で全文を確認することができます。

Grade A Copa Gerdau champion Puig, who dropped just ten games on route to the Osaka Mayor’s Cup quarter-finals, won the first set but then was unable to hit her powerful shots from the baseline to resist Kowase’s varied game-style, finally losing 46 63 75. Talented Kowase, a member of the Japan team which took part in the 2010 Junior Fed Cup by BNP Paribas played in San Luis Potosi, Mexico, will next face N° 4 Daria Salnikova in tomorrow’s semi-finals, after the Russian grabbed a straight-set win against unseeded Sonja Larsen of Germany, 61 62.

ちょっと形容詞が多くて、難解かもしれませんので、私なりに抜粋してみましょうね。

Monica Puig won the first set but then was unable to hit her powerful shots from the baseline to resist Kowase’s varied game-style, finally losing 46 63 75.

意訳すると・・・
「モニカ・プイグ(!?)は、ファーストセットを先取したが、その後、小和瀬の変化にとんだゲームスタイルに対抗するベースラインからのパワーショットを繰り出すことができず、64、36、57 で敗退した」

Monica Puig 選手は、現在、ITF Junior Ranking が No.5 です!世界のジュニアランキングが5位。更に、この選手は既に WTA ランキングも保持していて、675位(両方のランキング共に 2010年10月22日現在のものです)。

こうした世界の選手に対抗するのは、やはり「変化にとんだゲームスタイル」しかないのでしょう。どんなテニスなのかは、娘と同じ千葉県だし、何度も小和瀬選手の試合は観戦したことがありますから、解っているつもりです。

ここまできたら是非とも優勝して欲しいと願っています。

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スローペースにすることも戦略である!

40歳・・・凄いの一言です、伊達公子選手。2R突破です、「東レ パン・パシフィック」。ひょっとするとこのままいくのではないかと思いますが、本人は極めて冷静に分析をしていて、「40歳。この年齢で簡単に優勝できるほどこの世界は甘くない」と表現しているようです。今後に注目です。

私が注目しているのは、やはり伊達選手の試合後のインタビュー。今回の「東レ パン・パシフィック・テニス – TORAY PPO TENNIS::2010年試合結果」にも、興味深い内容がありましたからご紹介しておきましょう。

第2セットはストロークの打ち合いで、先にダウンザラインに打つことができるようになりました。私のサービスがぴったりハンチュコバ選手に合っていたので、ファーストサービスからスピードを落とし、ストロークでもスライスを混ぜて、あえてスローなペースに持ち込みました。それが相手のミスを呼び、リズムを崩すことができました。そして自分のリズムにすることができました。

パワーにはパワーで対応しようと考えがちですが、そこは伊達選手。パワーに対して、「スローペース」にして相手のタイミングをはずす。ミスを誘う・・・こうした機転が必要ですね。勝つために、持っている技術を最大限活用する・・・テニス選手にとっては、ジュニア、一般を問わず、参考になるお話ではないでしょうか。

WTA 今・昔:伊達公子選手の試合後インタビューから

伊達公子選手の快進撃は、止まりませんね!「東レ パン・パシフィック・オープン・テニストーナメント」で 1回戦、シャラポワ選手に勝利し、今日の2回戦は、ハンチュコワ選手に勝利!3回戦に進出しました・・・

一つ前に公開した投稿記事「1990年代のプレースタイルって何だろう!?伊達公子選手」にも記述しましたが、1990年代というより、伊達選手が一旦引退する前と、今とではテニスの何が変わっているのか・・・結構知りたいですよね。そして、その違いが、「東レ パン・パシフィック・テニス – TORAY PPO TENNIS::2010年試合結果」にありました!ちょっと引用しておきます。

私が戦っていた90年代は、クロスラリーの展開が多かったです。追い込まれたときは緩いボールで一旦体勢を整え、そこからもういちど一度クロスの展開をつくっていました。しかし今は追いつめられても、多くの選手がダウンザラインにカウンターというように、攻められた状況でも攻めて切り返す。それに必要なパワーとフィジカルとスピードを持っている選手が多いのです。そしてパワーには角度ではなく、パワーで対抗。そのためパワーのストローク戦になると真ん中で打ち合います。これは90年代にはなかったことで、今のパワーテニスが生んだ展開なのでしょう。

流石ですね、伊達選手!こうした生の声は、周囲の方々には本当に参考になるはずですね。こうした「今」のテニスにどうやって対応するかのヒントは、奇しくも敗退してしまったシャラポワ選手のインタビューにあります。

彼女(伊達公子選手)のボールは低く、ボールが上がりきる前に打ってきます。加えて、ショットのコースも変えてきます。今日は彼女のほうが上手でした。(中略)今の若手選手とはだいぶプレースタイルは異なります。ボールを打つのが早いですし、ベースラインの内側で打ってきます。今日のような早いコートではアドバンテージになります。彼女については素晴らしいの一言です。12年ものブランクをおいて、カムバックし、このレベルのプレーができることはすごいことです。

オンコートテニス・・・私は、日本人が世界で戦うために、唯一残されている方法だと信じています。伊達選手は、それを実践しているのと、ライジングという武器を引っ下げている!

マリア・シャラポワ選手に恋している!?

【追記:2010年9月28日】
期待していたシャラポワ選手でしたが、昨日の「東レ パン・パシフィック・テニス::TORAY PPO TENNIS」1回戦で、クルム伊達公子選手に、57、63、36 で敗退という結果だったようです。伊達選手は、本日 40 歳!どちらが勝利しても嬉しい勝利なのですが・・・

【公開時、投稿記事】
「東レ パン・パシフィック・テニス::TORAY PPO TENNIS」が始まりますね。期待の伊達公子選手は、何とあのマリア・シャラポワ選手。日本人にも人気がありますから、きっと、どちらにも勝って欲しい・・・(って、子供のような要望をしても意味がありませんね・・・)

私は、以前はあまり好きではなかったシャラポワ選手。ただただ「美人」選手ということが注目を集めて、テニス自体はそれほど魅力的ではないな、と思っていたのですが、最近の報道番組や NHK でのシャラポワ選手をみて、「あれっ!?あんな選手だったっけ?」と思うようになって、だんだん好きなプレーヤになってきました。その最大の理由は、「ネットプレー」をするようになってきたこと・・・

これって、自分だけの偏見かな、とも思っていました。以前は、それこそベースラインストローカーであると信じていましたから。ネットプレーは、あれでプロなの、と思えるようなプレーでガッカリした記憶があるのですが・・・

そうした私の感触を、しっかりと確認できる記事を発見。つまり、「シャラポワ選手がネットプレーを実践し、かなり上達している」ということを明確に謳っているのです。その記事は、最近注目している Geoff MacDonald 氏が投稿している「NYTimes.com:: Analysis: How Wozniacki Beat Sharapova」で確認できます。ちょっと引用しておきましょう。

Sharapova’s serve -– like her forehand — was both a weapon and a liability. Her first serve was dominant, but she continues to struggle to win points on her second serve. Sharapova won only 34 percent of her second-serve points, and served nine double-faults. One very bright spot for Sharapova was her vastly improved net game. She won 16 of 18 points when she attacked and approached the net.

本記事は、「US オープン 2010」の「キャロライン・ウィズニアッキ::Caroline Wozniacki」選手と「マリア・シャラポワ::Maria Sharapova」選手の試合を分析していますが、シャラポワ選手に関する記述も興味深い内容ですよね。

上手になったネットプレー・・・ストロークは、以前から強烈ですから、どうやってこうしたシャラポワ選手に伊達選手が対抗するのかも興味深いところですね!

PDF File「NYTimes:: Analysis: How Wozniacki Beat Sharapova」
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WTA の次世代スターは誰か?

アメリカのESPNが、「次世代の WTA スターは誰か」を探しています。その内容は、「ESPN::The search for the next WTA star」に示されています。本文を読んでみると、どうやら「次世代」のスターは若手でなければならないらしく、どうやら10代の注目選手をリストしたいらしい・・・

それもそのはずで、現在の WTA Top 10 の平均年齢が 26.1 歳で、2010年度のグランドスラムを振り返ると、全豪オープンとウィンブルドンを制した「セリーナ・ウィリアムズ::Serena Williams」選手が28歳、全仏オープンを制した「フランチェスカ・スキアボーネ::Francesca Schiavone」が30歳、全米オープンは「キム・クライシュテルス::Kim Clijsters」が27歳・・・確かに、次世代をになう選手が必要かもしれません。

そこで、上記のブログの投稿記事から、リストされている選手をピックアップしておきましょう。

  • Daria Gavrilova (ロシア):16歳の新鋭で、ユースオリンピックで優勝しているロシアの戦略的プレーヤ。
  • Beatrice Capra (アメリカ):18歳。「US オープン」では2回戦突破でクリス・エバートアカデミーの申し子。
  • Sloane Stephens (アメリカ):17歳。これまでは目立った活躍はないが、ハンガリーの Timea Babos (日本で開催されたスパージュニアで優勝しましたね!)とのダブルスでは優勝している。評価としては、オールラウンドプレーヤとの評価。
  • Kristyna and Karolina Puliskova (チェコ):チェコの双子の兄弟。ジュニアの戦績よりも(といっても、ITF Junior Ranking は6位と7位)、既に WTA Tour を廻っている・・・

上記のリストは、「ESPN::The search for the next WTA star」が出所ですが、参考までにそのほぼ全文を引用しておきます。

The fiery Russian

This year’s U.S. Open junior winner was a spirited 16-year-old named Daria Gavrilova. A tremendous retriever on the baseline, the Russian is a strategic player who mixes up her shots and gets into her opponents’ heads by never letting them get comfortable — and shrieking loudly on every point. Gavrilova reached the Roland Garros final and won the Eddie Herr in 2009. And this summer, she topped the girls’ rankings after she won the gold medal in the Youth Olympic Games.

American hopefuls

Marylander Beatrice Capra came out of nowhere at this year’s U.S. Open to win two matches — in the women’s draw. After winning a wild-card playoff to enter the tournament, the 18-year-old, who trains at the Evert Academy in Boca Raton, Fla., upset 18th seed Aravane Rezai with a mix of composure and variety from the baseline. But she couldn’t keep it up: In the third round, she fell to Maria Sharapova. The defeat may have saved her from the kind of dizzying pressure placed on the shoulders of, say, Melanie Oudin after her 2009 Open quarterfinal run. Capra’s performance moved her from No. 371 to No. 201 in the world.

Another U.S. junior, 17-year-old Sloane Stephens, has been touted for her potential for a while, but she’s had limited results in the junior Slams. That is until this year. Partnering with Hungary’s Timea Babos, the Florida native has won the past three junior majors in doubles. That’s good news, because the game of four is a good one to master young. The all-court skills that Stephens is perfecting could pay off on the WTA tour.

Twin Czechs

Only 10 points separate twins Kristyna and Karolina Puliskova in the ITF junior rankings. The slender, leggy, big-serving Czechs are ranked Nos. 6 and 7, respectively. The sisters played an exhibition with Martina Navratilova when they were in their early teens, but have competed very little on the international junior circuit until 2010. They made a grand debut, however, each winning a junior Slam this year. Karolina, a brunette right-hander, won the Australian Open, and lefty blonde Kristyna matched her sister by winning Wimbledon. As for their pro prospects, they’re making progress. Kristyna also leads the way on the WTA tour, at No. 216 to Karolina’s 271.

それにしても、グランドスラムで活躍が目立っている日本の石津幸恵選手は、まったく振れられていないのが寂しいですね。WTA Tour は、現在 Ranking 316、ITF Junior では、世界ランキングが 8 位なのに・・・もうちょっと注目してくれてもいいのですが・・・

女子テニスプレーヤでも股抜きショットが必要!?

「US Open 2010」が終わりましたね・・・優勝者を振り返ってみれば、順当であると言ってしまえば順当だったのかもしれませんが、それでも本当に楽しめたのではないでしょうか。と記述していますが、私はもっぱら「Twitter」からの情報でしたが・・・

そんな「Twitter」で発見した凄いシーン・・・これを見てしまうと、日本の選手が世界で活躍するのはいつのことかな、とちょっと不安になりますが、それにしてもこれは凄い!これが世界の現実なんですよね!

「Francesca Schiavone::フランチェスカ・スキアボーネ」選手・・・最近になって個人的には良く聞く選手名です(って、普通じゃないかな・・・)。YouTube でも「Amazing Shot」と表現していますから、日本にいる我々だけではないんですよね、驚いたのは!ちょっと大袈裟ですが、既に「股抜き」は、男子だけの世界ではなくなっている・・・ネットプレーも股抜きも既に女子世界では可能なショットにしておく必要がありそうですね・・・

サービスの重要性を認識すること!

「US オープン 2010」も残すところ男子決勝のみとなりましたね!フェデラーが準決勝で敗退となったので、個人的にはちょっと興味が薄れてしまいましたが、それでもテニスファンとしては、結果が気になります。

さて、「US オープン」の女子は、「Kim Clijsters::キム・クライシュテルス」選手の2連覇で幕を閉じましたが、アメリカでは、やはり昨年活躍の「Melanie Oudin::メラニー・オーディン メラニー・ウダン」[1]選手に注目が集まったようですが、残念ながら2回戦で敗退・・・そうしたオーディン選手の試合を分析した記事があります。ちょっと引用してみましょう。

She had committed 38 unforced errors while striking nine winners, including one ace. Although she had only one double fault, Oudin won 49% of her first-serve points and a woeful 32% of her second-serve points. Bondarenko, by comparison, won 53% of first-serve points and an incredible 63% of second-serve points, demonstrating the importance of serving, even though neither player has a particularly big or effective serve.

(中略)

But the statistics from this match point to a painful truth: Oudin, ranked No. 43, must learn to serve to become a Top 30 player on the tour. Although it may sound like a formidable task, other players — most notably Elena Dementieva — have overcome flawed serving motions. Oudin has a superb coach in Brian de Villiers. Most important, she has the heart and desire to put in the work.

(Resource: “NYTimes.com::Oudin Falls Short at U.S. Open Against Bondarenko“)

簡単に言ってしまえば、「WTA Top 30 に入るためには、オーディン選手はそのためのサーブを習得せよ」と言っているのですが、こうして統計分析を通して、何を向上させなければいけないかを指摘されている間は良いのでしょうね!

プロフェッショナルでさえ、勝つためのサーブを習得せよと指摘されているわけですから、ジュニア選手は、もっともっとサーブを重要視した方がいいのかもしれません。と言うより、我が娘、ダブルフォルトが多過ぎるし!サーブの調子で、その試合のメンタル面でも影響があるようでは、まだまだですね!

PDF File「NYTimes::Oudin Falls Short at U.S. Open Against Bondarenko」
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脚注:[1] メラニー・ウダン
本投稿記事公開時、「Melanie Oudin::メラニー・オーディン」と表記しましたが、正しくは、メラニー・ウダンだそうです。コメント欄に記載されていますが、「亀の子iwa」さんより以下のご指摘を頂きました。

「昨年の全米等で本人がインタビューで「メラニー・ウダン(ウーダン)」と呼んでほしいと世界中のメディアに話し、以来テレビ、雑誌・新聞等では、メラニー・ウダンという発音・表記が一般的

本投稿記事も、上記に従って、本文中の表記を訂正致しました。

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プロテニスプレーヤ収支:支出編

(以前公開した投稿記事を再掲載しています)

一つ前の投稿記事で、「プロテニスプレーヤ収支:収入編」を公開しました。前回同様、神谷宗之介という弁護士の先生の平成 17 年度の「日本スポーツ法学会」で論文である「100-SPORTS LAW JAPAN-」をベースにしています。

早速ですが、プロテニスプレーヤの支出として以下の項目をリストし、それぞれの項目に対して記述説明があります。

  1. 旅費
    テニスプレーヤーにとって最も大きな負担となるのが、旅費であると言われている。特に世界各地を転戦する選手の場合、飛行機代金及び宿泊費は全体の支出の内の約 50% をしめると言われている。また、コーチを同伴する場合には、当該コーチの旅費も考慮しなければならず、負担額は倍増する。
  2. コーチへの報酬・日当
    トッププロとして勝ち抜くためには、第三者としてのアドバイスを提供し、且つ、対戦相手のテニスを分析する存在としてのコーチを欠くことはできない。これに加え、女子選手にとっては、治安の悪い地域での試合ではボディガードとしての副次的効果も期待でき、コーチは欠かせない存在となっている。(中略) 日本のトップランカーについているコーチが得ている報酬(実費を除く)の平均は約 300 ~ 700 万円程度と言われている。また、選手の肉体を改善する役割を担うトレーナーについては 1 回の治療・指導で約 6,000 円 ~ 8,000 円程度かかるそうである。
  3. 練習場の確保
    テニスコート、トレーニングジムの確保も選手にとっては不可欠の問題である。テニスコートについては、学生時代やジュニア時代に世話になった大学やテニススクールを利用し、費用を削減することができる。
  4. ガットの張り替え
    ガットの張り替え費用は職人に依頼することになるため、毎回数千円が必要となる。選手が放つ球種や練習量にもよるが、平均的には 1 日 1 回はガットを張り替えることになるであろうから、仮に1年間 300 日テニスをするとなると、40 万~ 60 万円の費用計算となる。
  5. スポーツマネージメント会社への支払
    近年、いわゆる選手のスポンサー探し、マスメディアへの売り込みや知的財産権(パブリシティ権や著作権)の管理を引き受け、その対価としてマネージメント料を受領する、いわゆるスポーツマネージメント会社が台頭してきている。このような企業は、上記業務の対価として一定のマネージメント料、又は、スポンサー企業からのスポンサー料に一定率を乗じた金額を受領することによって利益を上げている。

上記から、マネージメント会社を利用ぜず、自分でテニスを実践しようと考えると、支出として(遠征方法にもよりますが)、平均 1,000 万円 ~ 1,200 万円が支出になりそうです。即ち、賞金とスポンサー契約による収入がそれ以上ないと、プロ選手として活動するのはかなり厳しい・・・

プロテニスプレーヤ収支:収入編

(以前、公開した投稿記事の再掲載です)

プロテニスプレーヤの収入・・・他のプロスポーツに比べて、情報がとても閉鎖的!?なプロテニスプレーヤの収入ですが、やっぱり気になるところです(って、私だけかな・・・こうした現実的な内容を気にしているのは・・・)。この収入に関しては、神谷宗之介という弁護士の先生が、高校生時代にテニスをやっていたという実績からプロテニスプレーヤーを研究対象として、平成 17 年度の「日本スポーツ法学会」で論文を発表し、その内容が「100-SPORTS LAW JAPAN-」としてウェブページで公開されています。何度か個人的にも取り上げたことがありますが、とても参考になりますので、自分の覚書として抜粋して掲載していきます。

論文には、プロテニスプレーヤの収入源は、現状は大きく分けて、当然ですが大会等で獲得する賞金とスポンサー契約による収入という 2 種類があります。まずは、賞金から記述しておきましょう。

賞金による収入

まずは、プロテニス選手の現実が記述されています。全てのプロテニス選手が同じ状況とは言えないと思いますが、下記のような現実があることは認識しておく必要があるでしょう。

競技人口は比較的多いにもかかわらず、テニスやゴルフのプロは一部の人気選手を除き、経済的に非常に苦しい競技生活を強いられている。その主因は、世界に通用するスター選手が存在しないことや運動能力の高い選手が人気スポーツに惹かれてしまうということもあろうが、日本の上位で活躍する選手が資金難により世界を転戦できないという問題もあると思われる。特にテニスの場合、世界ランキングをあげるためには、毎週世界各地で行われている試合にできる限り出場しなければならない。そして、団体スポーツのようにチームがその滞在費を確保してくれるスポーツとは事情が異なり、個人スポーツであるテニスにおいては、旅費、滞在費は全て自分の責任で調達しなければならない。

上記で指摘されているゴルフは、日本で転戦していても、トーナメントは毎週ありますから、本戦へ進出すればある程度の収入は確保できます。ただ、プロスポーツですから、どんな競技でも勝たなければ収入が無いのは同じです。ただテニスの場合、生活できるような賞金を確保するためには、やはり ATP や WTA のポイントを獲得する必要がありますね。そんな状況は下記の通り。

全てのテニスプレーヤーの憧れはウィンブルドンに代表される四大大会 (グランドスラム大会) に出場することである。この四大大会に出場するためには、ワイルドカードなどを除き、ATP ランキング (または WTA ランキング) を最低でも 300 位以内とした上で予選から勝ち上がるか、同ランキングを 150 以内に高め、本戦にストレートインするほかない。従って、四大大会出場を目指すテニス選手は、ATP ランキング (WTA ランキング) を高めることに集中するのである。そして、選手は、各自のレベルに応じた大会に出場し、勝利を重ねていくことにより ATP ランキング (WTA ランキング) を高めていくことになる。

上記、目安になるランキングは、ATP や WTA によっても相違しているだろうし、毎年基準が違っていますから、あくまでも基準ということだと思いますが、結果的には ATP ランキングや WTA ランキングを高める、ということに相違はないと思われます。

更に、この ATP や WTA のポイントを獲得するための日本国内の大会は、WTA であれば、2008 年度において、21 大会、ATP になるともっと少ない!?ランキングによっては、エントリーできない大会もありますから、実質、出場できる大会はもっと少なくなるでしょう。

結局は、日本国内の大会に出場しているだけでは、上記のような ATP や WTA のランキングを高めることが物理的に不可能であるため、海外での試合に出場して、ランキングを高める必要が出てくる!

論文では、上記に加えて、海外を転戦することに関して、以下のように続けて解説されています。

世界を転戦することに伴い旅費が嵩むことは誰でも容易に想像がつくと思われる。これに加え、プロテニスプレーヤーの場合、同伴するコーチの旅費をも考えなければならないため、旅費は単純に考えても倍加する。このように世界に通用するプロテニスプレーヤーを日本から輩出するためには、選手の経済的活動を支援する仕組を充実させることが不可欠なのである。

一方で、ATP ポイント やWTA ポイントを獲得できない純粋な国内大会の中で、最も賞金額が高く、権威のある大会は全日本テニス選手権で、優勝賞金は金 225 万円!こうした純粋な国内大会に全て優勝したとしても、賞金は約 300 万~ 400 万円にしかならない、とのことです。これでは、やはりプロテニスプレーヤとして生活はできませんよね。アマチュア選手は、賞金は受給できず、どんなに勝ち進んでも、1日最高 2 万円の日当を受領できるのみ、だそうです。

まず、最も賞金額の大きい大会の一つは全米オープン(四大大会の一つ)で、優勝賞金は約 1 億 1000 万円である(注意:現在の為替レートにすると金額は相違すると思われます)。なお、グランドスラム大会において、これまで日本人の男子、女子選手(シングルス)が優勝したことはない。

賞金額及び渡航コストのみから見れば、日本国内の大会に専念し、資金をためてから、世界を転戦することもひとつの方法のように見えますが、国内の大会に出場しているだけでは、獲得 ATP ポイントや WTA ポイントが十分でなく、世界各地で行われる大会に出場できません。従って、ランキングを高めるために、選手は世界に出ざるを得ない、ということになるし、グランドスラム出場を目指す選手が、日本国内の大会のみ出場していては、グランドスラムに出場することは困難でしょう。

スポンサー契約による収入

賞金による収入は上記の通りですが、上記の論文によれば、プロテニスプレーヤは、その他に以下のようなスポンサー契約による収入があります。

  1. 用具契約
    テニスにおける用具には、ラケット、テニスウェア、テニスシューズ、ボール(練習用)、ストリング(ガット)を挙げることができる。選手は、練習、試合、インタビューなどにおいて、スポンサーの提供する用具を使用する義務やスポンサーの開催するイベント・コマーシャルに出演する義務を負う。(中略) ラケットメーカーと日本国内の有力男子選手との契約金相場は年間 200 万円から 500 万円程度であるといわれている。
  2. 専属契約
    専属契約とは、選手は、新聞・雑誌・ランキングの表示やテニスウェア着用の際に、専属契約を締結した会社の名前を表示する義務を負い、当該企業は定額のスポンサー料を支払うことを内容とする契約を意味する。(中略) 専属契約は日本独特の契約で、海外で専属契約が締結されることは珍しい。
  3. パッチ契約
    テニスウェアの袖にスポンサー企業のロゴマーク(ワッペン)をつける義務を負い、スポンサー企業は定額のスポンサー料を支払う義務を負う契約をパッチ契約という。
  4. 雇用契約
    厳密にはプロスポーツ選手の資金調達手段とは言えないが、将来における雇用の安定を図り、企業の社員として働くいわゆる実業団選手。(中略) 平日の一部や土日を利用して練習に励み、有給休暇などを利用して、大会に出場する。この契約形態の場合、選手は引退後も企業の社員として勤務することができ、将来への不安がない反面、テニスに没頭できない制約を受けることになる。
  5. その他の契約
    選手とスポンサー契約を締結することはテニスのシーンに限定されるわけではない。マリア・シャラポワ選手は高級腕時計メーカーのタグホイヤー社とスポンサー契約を締結している。

上記のような活動の結果、得られる収入の合計額は日本人のトッププロで平均 500 ~ 1,000 万円程度と言われているそうです。ただ、ATP ランキング 1 位のロジャー・フェデラー選手(男子)の 2004 年における賞金収入は約 6.5 億円、スポンサーとの契約金収入約 7 億円、女子のマリア・シャラポワ選手は主要テニストーナメントと CM 契約により約 20 億円の収入をあげた、として締めくくっていますが、日本人プロテニスプレーヤに関する実質の収入は、やっぱりベールに隠されているような気がするのは私だけでしょうか・・・