ある方から、「テニスクラブから、海外遠征を推奨されましたが、本当に必要だと思いますか」という問い合わせを頂きました。以前のブログでもその解答を記述しましたが、改めて記述したいと思います(あくまでも、私個人の経験と考えなので、最終的には自己責任で決定するべきですが・・・)
ちょっと物語風に・・・(前置きなのに長いな・・・)
以前、運動神経抜群、身体能力も群を抜いて優れている少年がいた。小学生にして、身長は172cm。50m走は、6秒台。小学生としては驚異的な身体能力と運動神経の持ち主だった。この少年、中学校へ入学すると、小学生のときにかじっていたバスケットボールのことを知られ、中学校のバスケットボール部の監督から本格的にバスケをやらないかと誘われ、即決してバスケットボール部に入部、没頭する。
中学校でも、その身体能力・運動神経は注目を集め、県下では No.1 プレーヤとも噂されるようになり、数多くの高校からもバスケットボールでの入学のお誘いを受けるようになる。そして、この少年は、いつしかプロバスケットボール選手になることを夢見るようになっていった・・・当時、日本には、プロバスケットボールリーグは存在していなかったから、当然、プロになるためには、アメリカへ行く必要がある。その頃、少年は、身長179cmの中学生。ランニングジャンプでの最高到達点が321cmと、日本バスケットボール界でも極めて目立っていたのだから、少年の夢も実現が可能かもしれない、と思われた。
しかし・・・この少年の夢は、両親からの激しい反対にあい、泣く泣く諦めることになる。高校は一般受験で入学、更に大学入学後もバスケットボールを継続していたし、高校でも大学でも注目されていたが、中学生時代の淡い夢は叶わないまま遂に大学を卒業・・・一般社会人になるのである。
この少年、社会人になって、アメリカの法人に勤務するチャンスを得て、アメリカに住むことになる。昔の夢を追い続け、じっとしていられず、遂にプロバスケットボールの試合を観戦しに行った。初めてのプロバスケット。それまで海外経験もなかったため、その興奮は表現できないほどであったが・・・
そして・・・
プロバスケットボールの練習を観戦して、「プロバスケット・・・なんて馬鹿げたことを考えていたんだ今まで・・・早い時期に知っていれば、もっと別のことができたはずなのに・・・」と強く考えた。2m前後の大男達が、日本のバスケットボールよりもはるかに速い展開の試合を実践している。高さを生かして、ボールをゴールの上から叩き込む(ダンクショート)。更には、床から離れて(ジャンプ)からの信じられないほどの長い空中戦・・・どれをとっても知らない世界だったからである・・・もっと早い時期にプロの世界を知ってれば、別の形でバスケットボールに関わる決断ができたかもしれないし、別のスポーツに切り替えることもできたかもしれないのに・・・
上記の物語、私の実話です!
「早い時期に知ってれば・・・」が今でも心残りです。日本という国は、海外に比べて、とても閉鎖的な国です。海に囲まれているから、というのが大きな理由かもしれませんが、法律や政治といった要素も関係し、外国人と接する機会が少ないのです。
上記の状況から、「ジュニアには、可能な限り早い時期に海外経験をさせるべき」と強く信じています。日本を熟知することも、日本のことを海外へ知らせることにしても、海外での経験が必要なはずです。これは、テニスとはまったく関係なくても、海外を知ること!
「ジュニア選手が海外を経験することによって、テニスが上達する」なんてことはありません!ただ、テニスの解釈が違ってくるし、世界を知ることによって、自分の立ち位置を知ることができるでしょう。ここでいう「立ち位置」とは、テニスの実力であったり、自分のテニスでできることであったりと解釈して下さい。
テニスという共通のスポーツを通して、言語が通じなくてもコミュニケーションができる、同じルールで戦ったときの爽快感、まったく知らない言語で同じように練習をしている現実、テニスの実力差・・・テニスに限定したって、挙げたらきりがないほどそのメリットはあるはずです。
親として、覚悟しなければならないことは、子供が海外を経験することである種の変化をすること。それが悪い方向(テニスをやめるとか・・・)かもしれませんし、良い方向(更にテニスに没頭するとか・・・)かもしれませんが、その「変化」を感じ取り、将来に生かすことである、と信じています。
こうした「変化」をできるだけ早い段階で始動させ、その変化を汲み取って将来に生かすように誘導する・・・それがきっと親の役割なのだ、と信じてもいます。
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